工場の熱中症対策を個人の頑張りだけに頼らない方法とは?具体的な事例もご紹介
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「エアコンを増設したのに、夏は建物内が蒸し風呂になる」
「熱中症対策の義務化と聞いたが、何から手をつければいいか分からない」
そんなお悩みはありませんか。本記事では、従業員の方々の頑張りだけに頼らずに、工場の温度を下げて熱中症対策をするための方法と工場が暑くなる本当の原因を、実際の事例とあわせてご紹介してきます。
目次
工場の熱中症対策は、2025年6月から罰則付きで義務化
2025年6月1日、労働安全衛生規則が改正され、職場の熱中症対策が罰則付きで義務化されました。まずは義務化の中身を、簡単に整理していきます。
対象は「WBGT28以上 or 気温31度以上」の作業(+作業時間条件)
対象となるのは、WBGT値(暑さ指数)28以上、または気温31度以上の作業場所において、継続して1時間以上、または1日4時間を超える作業が見込まれる場合です。「屋外だけ」「夏場だけ」ではなく、屋内でも条件を満たす作業はすべて対象になります。
事業者に義務付けられた2つの措置と罰則
事業者には、①熱中症の疑いを見つけた際の報告体制、②症状悪化を防ぐための手順の整備と周知が義務付けられました。違反した場合は、6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科される可能性があります。
詳細は厚生労働省の「職場における熱中症対策の強化について」をご確認ください。
熱中症対策にあたって重要なのは、建物内の温度を下げることと言えますが、そもそも、なぜ工場内は室内なのに暑くなるのでしょうか。その最大の原因が、次に説明する「輻射熱」です。
なぜ室内なのに工場は暑いのか。原因の75%は「屋根からの輻射熱」
熱中症対策というと、水分補給や休憩、冷感グッズが真っ先に思い浮かぶかもしれません。ですが、これらは症状への対処であって、暑さそのものを減らすものではありません。工場を根本から涼しくするために、まずなぜ暑くなるのかを知る必要があります。
建物に侵入する熱の75%は輻射熱
建物内の熱は、伝導熱・対流熱・輻射熱の3種類に分類されます。その割合は、輻射熱が約75%を占めるといわれています。

輻射熱とは、太陽の熱が屋根に蓄積され、室内に向かって放射される熱のこと。電気ストーブの前に手をかざすと、直接触れていないのに熱く感じますが、あれと同じ原理です。
この輻射熱の大きな特長として、一般的な屋根や壁では、輻射熱の侵入を防ぐことができないという点が挙げられます。そして、工場でこの輻射熱を最も強く受けるのは、直射日光にさらされ続ける屋根です。
空調を強化しても涼しくなりにくい理由
エアコンは空気を冷やす機械です。しかし、屋根から次々と熱が放射され続けるため、いくら空気を冷やしても追いつきません。空調の設定温度を下げても、稼働時間を延ばしても、台数を増やしても、電気代だけが上がり続けてしまいます。
熱の入口を塞がない限り、涼しい工場は作れないのです。
工場の熱中症対策4つの方法と費用対効果について
工場でできる代表的な対策を、費用対効果で並べたのが以下の表です。
| 対策 | 費用 | 効果 | 工期 |
|---|---|---|---|
| ①水分補給・休憩ルール | 低 | 中 | 即日 |
| ②スポットクーラー・送風機 | 低 | 中 | 数日 |
| ③屋根への遮熱塗装 | 中 | 中 | 1〜2週間 |
| ④遮熱シート施工 | 中 | 高 | 数日〜 |
対策1:水分補給・休憩ルールの整備(費用:低/効果:中)
義務化への対応として、まず着手すべき基本的な対策です。すぐに実施でき、費用もかかりません。ただし、これは最低限の対策であり、根本的な問題解決にはなっていません。
対策2:スポットクーラー・送風機の追加(費用:低/効果:中)
作業場所が固定なら、局所的な冷却として有効です。ただし冷やせるのは作業者の周りの空気だけで、屋根からの輻射熱は入り続けます。台数を増やすほど電気代も増えるため、暑さとのイタチごっこになりやすいです。
対策3:屋根への遮熱塗装(費用:中/効果:中)
屋根に遮熱塗料を塗ることで、輻射熱の侵入をある程度防げます。ただし、経年劣化で5〜7年ごとの塗り直しが必要で、施工者の技量によって仕上がりにムラが出ることも。遮熱効果は最大でも80%程度です。
対策4:遮熱シートの施工(費用:中/効果:高)
もっとも費用対効果が高いのが、遮熱シートの施工です。輻射熱を97%カットし、屋根裏温度は最大11度低下、空調費を20〜30%削減した実績があります。10年以上の耐久性があり、塗料のような塗り直しも不要です。
遮熱シートの効果を、サーモカメラの画像でみてみる
「でも、遮熱シートを貼って、本当に温度が下がるのか」これが最大の疑問だと思います。ここではサーモカメラで撮影した実際の温度変化をご覧ください。
施工前後の屋根裏温度の変化


この画像は、遮熱シートを施工した部分と未施工の部分をサーモカメラで撮影したものです。これは冬に施工したため、表面温度が低い部分はかなり温度が低くなっていますが、未施工部分と比較すると、その差は一目瞭然です。

また、この画像は、遮熱シートを施工中の様子を撮影したものです。青色になっているのが施工済みの場所で、赤色が未施工の場所になります。
これらの画像から、遮熱シートは施工してすぐに効果を発揮できることがお分かりいただけるかと思います。
稼働を止めずに施工できる
工場の建物自体への暑さ対策で、最大の障壁は工場を止められないという点ではないでしょうか。
遮熱シートは、屋根の上のみで施工が完結します。生産ラインに触れず、稼働を止めずに工事できるため、繁忙期でも導入が可能です。
愛知県内の施工事例
弊社が施工した愛知県内の事例を2件ご紹介します。
空調4基でも効かなかった倉庫(株式会社千種様)
名古屋市熱田区のアパレルメーカー様。事務所として利用していた物流倉庫の2F高床部が、天井が近いこともあり屋根からの輻射熱の影響を大きく受け、空調4基を稼働させても効きが悪い状態でした。
この高床部の屋根に遮熱シートを施工し、あわせて空調効率を高めるため木板で壁面を造作。効果を実感いただいたことで、現在は倉庫全体への遮熱シート導入を予定されています。
新築倉庫でも暑かった事例(豊田段ボール株式会社様)
豊田市に本社を置く包装資材メーカー様。新設したばかりの倉庫にもかかわらず、広い倉庫かつ南向きに建てられていたため太陽からの輻射熱の影響が特に強く、「室内が暑い」という現場のお悩みがありました。
倉庫の屋根に遮熱シートを施工した結果、施工後は「室内が暑い」という声を聞くことがなくなりました。建物の新旧は関係ありません。熱の入口となる屋根がある限り、輻射熱は入り続けます。「新築だから大丈夫」と思われがちですが、実は建物の新旧よりも「屋根の面積」「向き」「構造」の方が、暑さへの影響は大きいのです。
まとめ:個人の努力に任せず、環境そのものを整える

工場の熱中症対策と聞くと、水分補給、休憩の徹底、空調服や冷感グッズなど、「個人の努力」に頼る対策が思い浮かびがちです。もちろん、これらは義務化への対応としても不可欠ですし、すぐに取り組めるという意味でも重要です。
ただ、いくら個人が努力しても、屋根から輻射熱が入り続ける限り、工場そのものの暑さは変わりません。従業員の方々が我慢し続けなければならない環境では、いずれ限界がきます。
だからこそ、個人の努力と並行して、環境そのものを整える視点が欠かせません。屋根の遮熱によって工場内の温度を下げる。それだけで、従業員の負担も、空調にかかる電気代も、大きく変わります。
「うちの工場は、まず何から始めるべきか」こういったご相談だけでも構いません。ドローンとサーモカメラを使った現地調査は無料で承っています。お気軽にお問い合わせください。

丸山 康史
1997年の創業より、自動車メーカー様などの工場を数多く施工してきました。床・屋根・外壁の塗装工事から電気設備の交換、太陽光パネルの設置など、あらゆるお困りごとに対して、自信を持って高品質な工事をご提供します。
また、直施工なので『中間マージン抜き』で工事を提供します。豊富な施工実績を元に工場の経営者さまや従業員さまが安心して働ける環境を提供することをお約束します。
